長所−短所






和穂は
殷雷の情に脆いところは
戦いにおいて、何度か危機に陥ったことから考えても
武器としては欠陥かもしれない
と認めている

でも
共に旅をするものとしては
長所だと思っている

ただ宝貝を集めて回るだけなら
相手のことなどかえりみないのなら

愚断でも良かった

時に危険と隣り合わせになるほどの優しさがなければ
傷付け、それこそ殺してしまっただろう人の
なんと多いことか

そして
心細いものが寄り添う

力以外のちからが

旅の共には必要だったのだから




殷雷は
自分の情に脆いところは
全面的に短所だと思っている

その一瞬の迷いや躊躇で
最も危険にさらされるのは
自分ではない

和穂なのだ

優しさを振りまくのは
彼女だけで十分だ

命に限りを持ち
知恵と心の強さだけしか持ち合わせぬ
どんな些細な失敗も許されぬ相手

武器の宝貝すら気疲れするほどの
危険な旅の中に
自ら身を投じた娘

どんな小さな失敗も
彼女には
死という最悪の別れになってしまうのだから








何となく
和穂は隣の殷雷に
少しもたれてみた

何となく
殷雷はもたれてきた和穂に
何も言わずほんの少し寄り添ってみた







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はまって間もないころに書いた代物。



ええっと、いや、もう何も言わないです。

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